【代償分割とは】家を売らずに財産分与する方法と評価額の決め方
「家を売らずに財産分与したい」という方へ
離婚の財産分与において、不動産をどう処理するかは大きな問題の一つです。売却して現金化してから分ける方法が一般的ですが、「子どもの転校を避けたい」「できれば自宅を売却せずにどちらかが住み続けたい」という場合には、家を売らずに財産分与する「代償分割」という方法があります。
代償分割とは、一方が不動産を取得し、その代わりに相手に対して不動産の評価額に応じた代償金(現金)を支払う分与の方法です。富田林市・羽曳野市・河内長野市エリアでも、離婚後に一方が家に住み続けるケースで多く活用されています。
代償分割の基本的な仕組み
代償分割の基本的な流れは以下のとおりです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 評価額の確定 | 不動産の現在の市場価値を査定・評価する |
| ② 住宅ローン残高の確認 | 金融機関に残高証明書を請求する |
| ③ 純資産の計算 | 評価額からローン残高を差し引いた純資産を算出 |
| ④ 代償金の算定 | 純資産の原則2分の1を代償金として決定 |
| ⑤ 合意・書面化 | 離婚協議書または公正証書に記載する |
| ⑥ 名義変更・代償金支払い | 不動産の所有権移転登記と代償金の支払い |
たとえば、自宅の評価額が2,500万円でローン残高が1,000万円の場合、純資産は1,500万円です。この場合、家に住み続ける側が相手に750万円(1,500万円÷2)の代償金を支払うのが基本的な考え方です。
評価額の決め方:3つの方法
代償分割を行う際に最も重要なのが、不動産の評価額をどう決めるかです。評価方法によって代償金の金額が大きく変わるため、双方が納得できる方法を選ぶことが重要です。
① 不動産会社の査定額(市場価値)
最も一般的な方法で、不動産会社が「現在いくらで売れるか」を査定した金額を評価額として用います。実際の市場価格に近い数字が出るため、双方にとって公平感があります。複数社で査定を受け、平均値や中間値を使うことで合意しやすくなります。
② 不動産鑑定士による鑑定評価
国家資格を持つ不動産鑑定士が正式に評価額を算定する方法です。法的な効力が高く、調停・裁判でも証拠として使えます。費用は20万〜50万円程度かかりますが、双方の合意が取りにくい場合や裁判になる可能性がある場合には有効です。
③ 路線価・固定資産税評価額を使う方法
国税庁が公表する路線価や、市区町村が定める固定資産税評価額を使う方法もあります。ただしこれらは市場価格より低く算出される傾向があるため、実態と乖離する可能性があります。双方が合意した場合にのみ使うべき方法です。
代償分割のメリットと注意点

メリット
①自宅を売却せずに済む
代償分割の最大のメリットは、一方が住み続けながら財産分与を完了できる点です。特に子どもがいる場合、転校・転居を回避しながら生活の安定を維持できます。自宅を残したい希望がある場合には、売却以外の方法として検討が可能です。
②共有名義が解消できる
夫婦で不動産を共有している場合、離婚後も共有状態を続けると将来売却する際に相手の同意が必要になるケースがあります。一方が不動産を取得する代わりに代償金を支払うことで単独所有にすることができます。離婚後に元夫婦が不動産を共有し続ける状況を避けられることは、大きなメリットといえるでしょう。
また、家を売り急ぐ必要がなく、不動産市場の状況に左右されずに手続きを進められます。
注意点
一方で、代償金を一括で準備することが難しい場合があります。住宅ローンが残っている場合は、たとえ夫婦間で合意している場合でも、ローンを引き継ぐ際に金融機関の同意が必要です。また、名義変更(所有権移転登記)には登録免許税や司法書士費用が発生します。
住宅ローンの債務者・保証人の変更も金融機関との協議が必要で、収入・信用力によっては認められないケースもあるため、早めに金融機関に相談することを強くおすすめします。
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【参考文献】
・法務省「財産分与について」https://www.moj.go.jp/
・国税庁「路線価図・評価倍率表」https://www.rosenka.nta.go.jp/
・日本不動産鑑定士協会連合会「不動産鑑定評価について」https://www.fudousan-kanteishi.or.jp/
・最高裁判所「財産分与の基礎知識(家事事件)」https://www.courts.go.jp/

